黒柴彼氏と白猫彼女

方言丸出しカップルの日常

「大事にする」の定義

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「ありがとう。大事にします。」

 

お付き合いが始まった日、黒柴さんから送られてきたLINEの文章を、嬉しさ反面どこか冷めた面持ちで眺めていた。

 

 

「大事にする」ってなんだろう?

 

過去の恋愛でそこそこ痛い目にも会い、すっかり心が捻れてしまった私には、その言葉が魅力的なものには見えなかった。

 

どうせ、構いたいときにだけ構いたいように構って、それに思ったような見返りを求める自己満足の言い換えでしょ?

 

例え私が望んでいないことでも、笑顔で受け取って、相手が望むように返さなきゃいけない面倒なやつ。

 

そして返さなかったら、相手や第三者から散々責められるやつ。

 

愛情があれば相手がどう思っていようが関係ないの?

「貴方のためを思って」だったら、何をしても許されるの?

 

私はこうしたエゴに対して妙に敏感なところがあり、そんな自分のことが嫌いだった。

 

人の感情の裏など読まず、素直に受け取っていれば可愛いのに、なんでそれが出来ないんだろう。

 

でも、黒柴さんと付き合うなかで、少しずつ考えが変わっていくのを感じた。

 

黒柴さんは私が仕事や遊びで休日が潰れたりしても嫌な顔はしない。

 

それどころか、私以上に張り切ってスーツを選んでくれたり、せっせと観光情報を調べてくれたりしている。

 

かなり前から計画していた旅行が私の実家の都合で流れたときには、不貞腐れてグダグダしてる私よりも迅速にキャンセルの手続きをやってくれた。

 

また、お互いの予定が空いているときは、私の好きなものや行きたい所を考えた上で、デートの計画を立ててくれる。

 

でも100%私の言いなりになって尽くしているわけではない。

 

私の休日に仕事をガンガン入れるし、逆に私が仕事のときに代休取ったりもするし。

 

私が乗馬をしたいと言えば、自分は搾乳をしたいと言って譲らないし。

 

黒柴さんと一緒にいると、「相手の人生が楽しく充実したものになるように出来ることは協力するけど、その分自分も人生を存分に楽しむ」みたいな気概が伝わってくる。

 

だからこそ、私も全力で人生を楽しむことができるし、同時に黒柴さん自身の人生の幸福度に少しでも貢献できれば、と無理せず思えるようになった。

 

「大事にする」って、たぶん自分も含めその人自身の時間とか価値観とか選択を尊重することなんじゃないかな。

 

共依存の関係により虚栄心を満たすものではなく。

「嫌われるかも」という恐れの気持ちから起こす行動ではなく。

 

自分の意見も伝えるし、そうすれば主張が食い違うこともあるし、相手の都合を100%優先することは出来ないけど。

 

それでも相手の声に耳を傾けること、それについて自分がどう関わるのか考えることを続けることでお互いが「大事な関係」になっていければと思う。