黒柴彼氏と白猫彼女

方言丸出しカップルの日常

家事ができるパートナーが理想だったけれど。

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「家事ができない男とは絶対に付き合わない。」

 

そう心に決めたのは、もう何年前になるだろうか。

 

別に家事自体が嫌いなわけではない。

 

でも、もう疲れた。

 

ビール持ってこいだの風呂上がりにタオルがないだので怒鳴り散らす父。

 

洗濯物の干し方が気にくわない、買ってきた食品が最安値じゃないとキレる元彼。

 

平日は自分の家、休日は彼氏の家の掃除で終わる人生。なんなん、これ。

 

全部、自分でやれよ。

 

先にやってしまう私にも原因があると言われればそうかもしれない。

 

でも、あの頃はやらなきゃ殴られるか罵られるか汚い部屋で体調崩した。

 

周りに相談しても、「それが女の愛情というものだ」「できないお前は人の心がない」と説教されるだけだった。

 

ナチュラルに男尊女卑が当たり前の地域で育つと、20代でもそんな感覚だったりする。

 

だからそういう人達とは全力で距離を置いた。

 

「次付き合うのなら、自分と同等以上に家事ができる人。そうじゃないなら、恋人も結婚相手も一生いらない。」

フリーを満喫しようが婚活しようが、この条件だけは絶対に譲らなかった。

 

 

そうして現在お付き合いをしている黒柴さん。

 

私より料理は美味しいし、アイロンがけも上手く、掃除も丁寧。

 

でも潔癖症なわけではなく、人に細かく注意したりしない。

 

世の中にはこういう人もいるんだって感動した。

 

今まで不遇を受けていた白猫さんは、こうして幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

と、ファンタジーならばこれで終わるだろう。

 

だが現実はそんなに甘くない。

 

自分より家事レベルが高い人と付き合ってみて初めて分かったこと。

 

①相手のスピードについていけない

例えば黒柴さんのお家でお鍋をしたとき。

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私がテーブルの上を片付け、カセットコンロをセットし、お皿や箸を準備している間に、相手は野菜を切り終わってスタンバイしている。

 

2人でいるときはなるべく調理の手間が少ない料理を選んでいるとは言え、手際が良すぎて台所に入る隙すらない。

 

片付けも同じで、ちょっと電話に出て5分くらいで戻ってくるとお皿洗いもゴミ捨ても完了し、鼻歌混じりにテーブル拭きながら「アイス食べよー」なんて言ってきたりする。

 

なにこの出木杉くん。

 

 

②相手の独自ルールが把握できない

人には人の家事のやり方があって、それぞれ結構違ってたりする。

 

私が黒柴さんのお家にお邪魔することが多いので、なるべく相手のルールに沿おうとするんだけど。

 

使っている洗剤や道具が違う。

ゴミの分別方法が違う。

こだわるポイントが違う。

 

これを全部完璧に覚えて、なおかつ相手以上の仕上がりにするのはかなり大変。

 

別にできなくても黒柴さんは怒ったりしないけど、後でこっそり直してたりするのを見ると、あぁぁってなる。

 

 

③相手のやる気スイッチが分からない

なんかダラダラしてるなーと思って、こっちも読書にふけっていたりすると、突然姿が見えない。

 

どうしたんだろう?と様子を見に行くと、せっせと洗濯物をたたんでいたりする。

 

相手のタイミングが掴めないので、手伝おうにも遅れたり見逃してしまっていることがある。

 

 

こうして見ると、自分がかつて嫌悪していた家事のできない男達と同じことを黒柴さんにしてしまっているんじゃないかと思ってめちゃくちゃ焦る。

 

・相手の家なんだから勝手が分からなくて当然

・不安になるより「ありがとう」って笑顔で受け取ったほうが良い

 

という部分もあるけど、先を見据えるならばこの状態で良い訳がない。

 

そう思った私が取った3つの対応策。

 

①家事のルールを共有する

道具の選び方、こだわりポイント、ストックの置き場所。

 

分からないことがあったらなんでも聞きまくった。

なんか家事をやり始めたら、横に立って観察しまくった。

 

やり方を目で盗み、分からない所は質問し、実際に行動してみる。

 

新入社員かよっていうくらいの気合の入れよう。 

 

 

②積極的に声をかける

もうゴミまとめとく?

そろそろお風呂にお湯はる?

洗濯はまだ大丈夫?

 

相手のタイミングが分からないのなら、こちらから働きかけてみる。

 

大抵「うーん、まだいいや」で終わるんだけど、めげない。

 

名もなき家事を見過ごさないし、自分も積極的に参加したいんだよというサインを出し続ける。

 

③指示には素直に従う

「◯◯やって」と言われたら、返事はイエスかイエスだ。

 

・今は気分じゃない

・あとでやる

・うちのやり方とは違う

 

なんて絶対に言わない。

 

この瞬間だけは白猫さんは黒柴さんの犬である。ややこしい。

 

「うちではこうしてるよ〜」とか「こうやると楽なんだよ〜」と伝えるのは任務のあと。

 

オリジナリティが認められるのは、基本的な仕事をマスターして、信頼して任せられるようになってからである。

 

 

以上のことを、私は仕事中並みの緊張感と集中力と気配りをもってやっている。

 

そんなんじゃ寛げない、余計疲れる、何のために一緒にいるんだと思われるかもしれない。

 

でも、大切な相手が私といることで疲弊するくらいだったら、一時的に新入社員モードで家事をマスターするくらいなんでもない。

 

それに、今頑張ったことは、この先私が1人で生きていくにしろ、2人で生きていくにしろ役に立つ。

 

疲れているのも、余裕がないのもお互いさま。

 

その中で、一緒にいるためにはどうすれば良いか模索していきたい。