黒柴彼氏と白猫彼女

方言丸出しカップルの日常

風邪っぴきと意地っぱり

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2週間ぶりのデート。

 

待ち合わせ場所に、コートをぴっちり着て、マフラーぐるぐる、手袋装備で現れた黒柴さん。

 

ちなみに私の格好はTシャツパーカー。

 

「今日は寒いねー。」

 

気温15度くらいありますが。

 

本人の希望により近くの居酒屋に行くも、熱々のお鍋食べてもコート脱がないし、そもそもあんまり食べてないし、最初に頼んだチューハイも3cmくらいしか減っていない。

 

会話もなんか虚ろだし、些細なことで不機嫌になるし、無駄に人の揚げ足を取って絡んでくる。

 

普段が明朗快活で気遣いが出来る人なだけに、この差は珍しい。

 

「もしかして、体調悪い?」

「うーん、ちょっと風邪ひいたかも?でも大丈夫!」

 

何気なく触った手は熱くて、見るからにして大丈夫じゃないのは明らか。

 

この人、体調崩すとこんな感じになるんだ。

 

さて、早く回復するにはどうしたらいいんだろうかと考える一方で、ここでもかとちょっと嫌な感じになる自分もいて。

 

なんでかと言うと、数時間前にいた職場でも同じようなやり取りをしたばかり。

 

「大丈夫です!頑張ります!」って皆言うけれど、それでこじらせて入院したり、周りに感染しまくってスタッフの半分以上が休む事態になったり。

 

いい加減懲りて欲しいのに、「ここやっておくから、休んでて」なんて言おうものなら何故か不機嫌になる人たち。

 

プライドを刺激しないように、上手く会話をしながら出来るだけ負担の少ない仕事を振るように気を遣う日々。

 

正直かなりめんどくさいので、とっとと自己申告して休んでくれと思う。

 

それでも次の休みには黒柴さんに会えるからと思って、風邪をうつされないように漢方薬を常備、規則正しい食事に運動と徹底的に自己管理し、隙間時間に家事や副業をバタバタとこなし、仕事終わりに片道2時間かけて来たのに。

 

早めに体調悪いって言ってくれたら、ごめん今日は休みたいって言ってくれたら、私は私でやりたいことはたくさんあったのに。

 

せめて変な意地を張らずに、大人しく看病させてくれれば、私も変に気を遣わずに済むのに。

 

職業柄、病気の動物を相手に黙々と作業するほうが、圧倒的に楽で疲れないのにー!

 

でもそう思ってしまう自分も嫌で。

 

多少無理してまで会いたいと想ってくれた恋人に対して私はなんて冷たいんだろう。

 

なんで表面的にしか優しくできないんだろう。

 

しかしそこで自責の念にかられていても何も生まない。

 

今ここで、私ができるのは何だろう?

 

とりあえず風呂入れて、寝かせて、のんびり過ごして。

 

旅先で買った薬膳鍋の素やら、知り合いにもらった季節の野菜やら果物やらを持ち込んで。

なんだかんだで丈夫な自分の身体に感謝しつつ。

 

いつかこんなことも大したことない日常になるんだろうかと妄想しながら。

 

病めるときも健やかなるときも、って言うけど、お互いにいつもとは違う様子が見られて、良い経験になったと思うのでした。